薄手のカーディガンを羽織り、街灯もまばらな路地裏を歩く。深夜一時の空は鉄紺で、星が少し見えるばかり。潮の匂いのする路地裏には、クリーニング屋、内科医院、スナックが何軒か。クリーニング屋は硝子の引き戸で、中途半端に閉められた白いカーテンの隙間からは、土間が覗いている。路地を抜けると目の前は海だ、海沿いには観光ホテルや土産物屋があるものの、深夜はひっそりとしている。道を渡れば整備された海の公園があり、広々として白く平坦でそこだけ変に明るい。背の高い取り繕ったような南国風の木がわざとらしくて笑ってしまう。